社会には、決して光の当たらない場所がある。
綺麗事で蓋をされ、見ないふりをされる人間の「業(ごう)」。そこに向き合い続け、熱狂的な支持を集めるメーカーがある。それが「女排泄一門会」だ。
今回、我々はその創始者であり総監督を務める三雲亭便三氏に独占インタビューを行った。10年の筋トレで鍛え上げられた分厚い胸板と、眼鏡の奥で静かに光る鋭い眼光。彼が自らの口で語ったのは、卑屈な絶望からの反逆と、はみ出し者たちへの深く熱い「愛」だった。
「始まりはやはり、私自身の性癖です。昔からトイレを覗くようなビデオが好きでね。でも、この性癖を抱える人間は皆、同じ苦しみを味わうんです。『なんで自分はこんな気持ち悪い性癖なんだ』『死にたい』と自己嫌悪に陥りながら、それでもどうしても惹かれてしまう。しかし、現実にそんな欲望を叶えれば、社会から抹殺されます。だから私は、そういったコンテンツを取り扱っているメーカーに飛び込みました」
「ええ。ただ、そういうアンダーグラウンドなモノを扱っているメーカーですから、やはり一癖も二癖もある方が多かったですね。今で言うどブラック。『搾取』という言葉がしっくりはまる。会社に金はある。私には若さと溢れるアイデアがある。でも、金を使わせてくれない。だからマニアに還元できない。
それなら、自分でやった方がもっとマニアの渇望に寄り添えるんじゃないか。自分の性癖に絶望して『死にたい』と思っている同志たちの、救いになれるんじゃないかと考えたんです。そして同時に、『私のような生き方もあるぞ!』と世間に提示してやりたかった」
「いえ、実はまだ理想の100%は詰め込めていないんです。私の究極の理想は『ワンフロア丸々、公衆便所スタジオを作る』こと。そこにはまだ至れていません。ですが、おかげさまで以前より資金ができ、より理想に近い作品を作れるようにはなっています」
「30代に差し掛かり、フリーの監督として活動していた頃、あるトラブルに巻き込まれたりしている中、自分の生き方に迷っていた時期がありました。とても追い込まれていました。このまま、この業界にいて良いのだろうか。そんな時、私の作品を見た同志から、ひとつのメッセージが届いたんです。
『こんな作品を作ってくれてありがとう、一生の宝物にします』
その言葉を見た瞬間、覚悟が決まりました。ああ、私は誰かの役に立てているのだ、と。この道で、誰かの役に立って生きていこうと、初めて腹を括ったんです」
「『金がないなら俺のところへ来い。俺もないけど心配するな』……昔の豪快な男たちはよくそんなことを言ったものですが、一門会はまさにそういう場でありたいんです。ただ、昔の人みたいに『そのうちなんとかなる』なんて人任せなことは言いません。そのうちなんとかなるんじゃない」
「ええ。だから私は、ここに火をくべます。絶やさず燃やし続けます。だから、生きづらいだの、死にたいだの言っている暇があるなら、ここに来て暖まればいい。そして、その炎を絶やさないために手伝いに来い、と言いたいんです。一門会は、皆にとって暖を取ることのできる、温かい場所でありたいと願っています」
「生きにくい今の世の中を生きやすくし、自らを肯定して『自己実現』をしてほしい。そして、その泥臭くも力強い生き様が、また別の誰かにとっての『お手本』となるように生きてほしいですね。ここは、社会からはみ出した者たちが、皆で力を合わせて生き抜いていける場所です。それを証明し続けていきます」
世間からは決して理解されない「業」を抱えながらも、それを恥じることなく、誰かの生きる糧へと昇華させる。三雲亭便三という男は、底なしの情熱で炎を燃やし続けるダークヒーローであった。
もし今、己の居場所がないと嘆いている者がいるのなら、彼が燃やすその炎の輪へ、勇気を出して飛び込んでみてはどうだろうか。